ソーダーシャール島

Too2015-03-08

 2014年7月1日の続き。ソーダーシャール島はトーベ・ヤンソンが幼い頃、お父さんとともに訪れ、『ムーミンパパ海へいく』の灯台のモデルになったといわれている島です。現在は個人の所有になっているようですが、予約すれば宿泊もできると聞き、滞在を延ばして一泊することにしました。
 ユヴァスキュラを発ってタンペレに寄り、15時にヘルシンキに戻ってホテルとスーパーに寄り、地下鉄に約30分乗って、16時頃、ヴォサーリ駅に到着。

 経営者が変わったそうなので、今はどういうふうになっているかわからないのですが、2014年の場合、7月1日から夏の間、島での宿泊を受け付けていました。日帰りツアーはマーケットホールのある港(群島クルーズやスオメンリンナ行きの船も出ているあたり)から乗れるらしいのですが、宿泊ツアーの送迎船は30分ほど郊外に行ったマリーナ発着。

 日本出発前にサイトではまだ宿泊予約を受け付けていなかったので、メールで問い合わせて、乗り場の地図も送ってくれていたのですが、例によって、行けばわかるよね?みたいな適当なわたしたち。事前に心配したMさんがグーグルマップの保存方法などいろいろ教えてくださったのですが、駅を出た瞬間、どっちに歩けば!?状態。しかも30分しか時間がなく、小雨が降っています。英語も話せないおばあさんが話しかけてくれて、地図を見て、方向を示してくれました。フィンランドの人、本当に優しいです(涙)。

 広い公園を越えて、海沿いをまだまだ歩きます。

 30分ほど歩いたでしょうか。16時半、やっと乗り場発見!

 船にロゴが入っています。

 作業中のフィンランドのおじさんに「ヤリ?」と声を掛けると、「マミ?」と符丁のような返事が。おじさんは「これ、着てね」と宇宙服みたいなつなぎを渡し、どこかに消えてしまいました(コーヒーを買うかゴミを捨てるかしに行ったもよう)。貸し切りかな?と思ったら、ファミリーが1組、やってきました。

 防寒+救命胴衣みたいなものでしょうか。群島クルーズのように船に乗ればいいだけだと思っていたので、ちょっとびっくり。

 荷物もしっかり落ちないように船内に収納してくれ、船が走り出しました。

 写真を撮ろうとカメラを持っていたのですが、早々にポケットに入れておくように言われました。確かに撮影どころではない……。それでなくても海風が吹きつけてくる上、小雨も降っていたので、しぶきだか雨だかわかりませんが、露出している顔がびしゃびしゃに。服のおかげで寒くはなかったものの、灰色の海をけっこうなスピードで一直線に走っていく船に揺られていると気が遠くなってきました。なんというか、ちょっとした臨死体験? 延々と続くスプラッシュマウンテンに乗っているようでもありました。

 すごく長く感じましたが、40分程度かな、島が見えてきました。

 ふたつの島が吊り橋でつながっています。

 左側の灯台のある島に上陸します。右側の島には鳥の研究をしているおじさんが滞在しているらしいのですが、このときはおじさん不在で、鳥の生態系を守るため、吊り橋の向こうには行けないようになっていました。灯台の島のほうも歩いていい範囲が区切られていたのがちょっと残念でしたが、鳥のためだから仕方ないですね。

 到着!

 島にはスタッフのお姉さんがふたり滞在していて、出迎えてくれました。

 今夜は灯台に泊まるのです!

 まだ船の衝撃が残っていて写真は全然ないのですが、サウナと食事の場所、トイレの使い方などを教えてくれて、灯台の階段を上って部屋へ。7月だというのにストーブ! 暖かくてありがたかったです。

 水道はないので、水が用意されていました。

 ポットは温かい紅茶。クッキーも。到着したのが17時半頃だったでしょうか。18時20分頃、サウナに入ってね、と言われたので、ひと休み。

 いきなり室内の写真ですが、サウナ。薪ですが、スモークサウナではないそうです。

 開放感あふれていますが、気にしない(笑)。

 もう温めてくれているので、入り方は電気式と変わりませんが、シャワーはなく、サウナの熱で温めたお湯を桶に汲んで、水で温度を調節しながら使います。シャンプーなども自然に優しいものが置いてありました。

 はー、やっぱりサウナは気持ちいいですね! というか、電気も水道も来ていない島でサウナに入れるなんて、フィンランドならでは!(電気は自家発電を始めたとのことで、食堂のある建物では電気が使えるようになっていました)。

 灯台の部屋に戻ってストーブで髪を乾かし、少し時間があったので灯台のなかを見物。

 上の階はギャラリーになっています。

 下の階にはかつて使っていたであろうガスボンベや網、魚を捕る道具、工具などが雑然と置いてあります。

 20時頃、食堂へ。

 昔、灯台で働く人たちが寝起きしていた建物を改装して、スタッフルームと食堂として使っているようです。20人ぐらいは入れるでしょうか。今日は2組しかいないので、ゆったり。

 タイルストーブ!

 御会計はここで。

 お土産物も売っています。

 模型や写真集など、ついつい買いたくなりますが、ぐっと我慢。



 食事がスタートしました。パンとバター。おいしい。

 なんと前菜盛り合わせ。こんなちゃんとした料理が出てくるとは思いませんでした。サーモン、ニシンなど、どれもおいしい。お皿はサウナで燃やせるよう竹の繊維のものを使っているそうです。

 メイン。しっかりした牛肉の煮込みがどーん! 赤いのはオーツ麦か何かを甘く煮たもの。野菜も力強い味でした。写真だとそうでもないように見えると思うのですが、けっこうなボリューム。味も濃厚なので、申し訳ないことに食べきることができませんでした。今後、ソーダーシャールに宿泊なさる方がいらしたら、大食いに自信がなければ少しずつ出してもらって足りなければお代りを頼んだほうがいいと思います〜。

 コーヒー。紅茶も選べたかも。

 お腹いっぱいで、とメインを残してしまったのに、まさかのデザート、どーん! もちもちでおいしかったのですが、クリームは多すぎた〜。

 夜10時ぐらいの灯台

 灯台の上から見た海。


 プリズム。今は火は入っていません。

 今夜は灯台のわたしたちの貸し切り。島の他の建物にはスタッフと家族連れが泊まっていたのですが、帰っちゃったのかも?と思うほど、静かでした。灯台守の部屋は正面に窓とテーブル、左側に変形のベッド。

 ストーブは火災予防のため撤去されていましたが、羽根布団が暖かくて、寒くはなかったです。

 ママとミイには留守番をしてもらって、パパだけ連れてきました。

 電気の通っていない部屋でのんびり。ローソクかオイルランプを使わせてほしいところでしたが、残念ながら電池式のランタンです。

 部屋が暗いので窓の外がよく見えます。

 白夜の時期ですが、だんだんと暗くなっていきます。

 24時頃、寝る前に上に上ってみました。

 360度、見渡すことができるので、天気がよければ夕陽と月を同時に見ることもできるそうです。あいにくのお天気でしたが、青に染まった空と海もとてもきれいでした。

 灯台のなかにはトイレがなく、外の小屋に行かなくてはいけないので、ついでに撮影。


 就寝。