『七人の弔』

Too2005-06-29

ダンカン初監督作品。それぐらいしか前知識のないまま見たので、冒頭の印象は「伊丹十三の『お葬式』とか、そういう系列!?」。田舎の景色がとにかくきれい。
ダンカン演じるキャンプ指導員が、親だけを集めて趣旨を話すシーンから、一気に物語は展開してく。このあたりは、少し、『バトル・ロワイアル』の教師、たけしを連想しなくもない。
美しい自然を背景に、基本はほのぼの、ほどほどの不気味さと哀しさを漂わせつつ、笑いを交えて、短いキャンプの時間がどんどん進行していく。ボリューム的には、笑いの部分が、少ししつこいかな。まぁ、いしのようこのカラオケは好きな人には大サービスのシーンなのかも。実は、いしのようこはなかなか良い。洞口依子かと見間違うぐらいの妖気が漂ってて。
役者はほかにも、渡辺いっけい温水洋一山崎一など、芸達者なところが揃っている。ダンカンも役にはハマっているのだが、いかんせん、役者たちに混じると、役よりもダンカン本人にしか見えない。子役たちは河原真琴と中村友也がデビュー作とは思えないほど、しっかりした演技を披露。中村友也は『H2』のときからバケるかも、と思っていたが、ほんと、大バケするかも。
オチのつけ方も手伝って、後味は意外に悪くない。(解釈は人によるだろうが)。映画としては、音楽の使い方がキタノ作品ぽかったり、設定に無理があったり、首をかしげるところもあるけれど、親子関係に思うところある人なら、見て損はないと思う。
[8月公開予定]

http://www.office-kitano.co.jp/7tomurai/