『NANA』

Too2005-07-26

 ちょっと前になりますが、すごいタイトルの記事に遭遇。
「美嘉&あおい:映画「NANA」会見で“見つめ愛”」
http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/cinema/news/20050708k0000e040112000c.html
 まばたきしてたら見逃しそうな一瞬のキスシーンに、わざわざ焦点を当てるところがすごい。まぁ、ふたりのナナの関係性をよく表している、象徴的なシーンではあるのでしょうが。
 宮崎あおいちゃんて、『ラヴァーズ・キス』でも女の子のこと好きになる役だったし、『富江 最終章』でもキスシーンがあったはず。『害虫』も『パコダテ人』も、どれもすごーーーくキュートだったのに、『NANA』ではキュートすぎて胸焼けしそう。そんだけ巧いってことなんだろうけど、見事に主体性のない、うっとおしーい女子を演じています。
 中島美嘉も以前、バラエティで「好きになった相手が女性でもOK」というような発言をしていた記憶が。演技はうまくないけど、雰囲気&存在感がカバーってことで。


 男子キャストは、レン=松田龍平、ノブ=成宮寛貴、タクミ=玉山鉄二あたりは、役のイメージと本人のイメージにあまり落差もなく、ソツなくこなしている感じ。ヤス=丸山智己、シン=松山ケンイチもそれぞれ兄貴的ポジションと弟的ポジションをうまく押さえてて印象的。章司=平岡祐太は、『スウィング・ガールズ』『いま、会いにゆきます』(映画)の優しくてちょっと気の弱そうな雰囲気に加え、ルックスのいいダメ男っぷりがよく出てて◎


 大人気原作コミックは読んでいないのでよくわかりませんが、衣装とヘアメイクに何より時間とお金がかかっている感じで、かなり原作に似せる努力がなされている様子。少なくとも、客観的に見てカッコいいものには仕上がっています。問題は、楽曲とライブ・シーン。パンクバンドの話なんだから、もうちょっとどうにかならなかったのかね? いかにもアイドル、いかにもJ-popで、一気に説得力消失。ターゲットを考えれば、これぐらいキャッチーでわかりやすくないとダメってこと?
 とはいえ、大きな難点はそこぐらいで、ストーリーもよくまとまっていて破綻なく、原作を知らなくても十分楽しめました。ただ、映画館に行って大きなスクリーンで見る、ということを考えたときに、ライブの場面が生きていないのはもったいない。だったらDVDで観てもいいや、という気がしないでも……。
〔9月3日公開〕