夏ドラマ総まとめ

 というわけで、『結婚できない男』の最終回も見終わったので、今クールの感想をメモ。例によって毒舌炸裂、書きなぐり、です。

 単純におもしろく楽しめるドラマでした。阿部寛のキャラが、いるいる、こーいう人!って感じで。逆に、女性陣はそれぞれキャラ立ちしててうまく役割がバラしてあったものの、しょせんは嫁候補というか、リアリティ薄め。特に高島礼子のキャラが謎で、あの年齢のオンナって、信頼されているにしてもあそこまで思いやりのない対応をされたら、すっぱりキャリアを優先する気がします。夏川結衣も、子作りを焦っているのでなければ、結婚を焦る理由がなさそう。最後は、家の設計図(模型)を見せることで、結婚を匂わせつつ、さらりと締めたのにも大満足。あの流れでいきなり「結婚」というのは無理があるので、ありがちな結婚式のシーンで終わり、じゃなくてよかったよかった。

  • 『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』

 これも単純に何も考えずに楽しめる一本でした。年齢層が若い分、共感度は低めだったものの、長瀬の顔芸、大森美香のちょっと捻ったセリフ、後半はヤクザファッションも披露してくれた黄川田将也さん(なぜか敬称付き)と、個人的な楽しみ度はいちばん高かったかも。元ネタを知らないのでなんとも言えませんが、結局、真喜男が跡目を継ぐことになった経緯は、もうちょっと説明があってもよかったかも。あと、高校に行き直すのはいいけど、高校名が「宙船高校」って、『野ブタ。をプロデュース』でも「網井五高校」(漢字は忘れたけど、主題歌=『青春アミーゴ』に由来する名前)に転向して終わり、だったので、ちょっと呆れた。オマージュってやつ? ついでに、ずーっと『宙船』って変な歌だなぁと思っていたのですが、中島みゆき作詩作曲だったんですね。腑に落ちました。

 個人的にはかなり好きなドラマだったものの、最後はちょっと無茶苦茶……。主演ドラマの撮影から脱走して、言い訳が「青春」では済まないと思います。牛乳おじさんの存在意義はあったものの、フミヤである意味、♪ラララ 下北以上〜 原宿未満〜♪って変な歌詞と竹内まりや似のメロディである必要性はやはり不明。古田新太の「シモ、でお願いします」とか、「どんこ1万円」とか、妙に後をひく感じは大好きだったんですが。
 おもしろかったのは以上3本。以下は一応、見たけど……。

 子どもたちはママよりパパに似ちゃったんだな。仕事より、恋愛。もちろん、どっちが重要ってもんでもないんだが、大人として責任を果たすこと、自分に向いた仕事を見つけて収入を得ることも大事だと思うんだが。長男(玉山鉄二)は職場でキレて美容院を辞めて、次の美容院では客(しかも弟の担任)に手を出しかけた挙げ句、その女との相性の悪さから、ピンコさん(阿部サダヲ)への気持ちに気付き、いっしょに岡山で桃農家を継ぐことに。まぁね、ハサミ使いは得意でしょうよ。長男のセクシュアリティは謎だが、ピンコさんが「親友でいたい、と言われるのはツライ。愛しているんだから」ときちんと切り返していたのはよかった。長女が劇団ひとりと芸人になったのも、展開が見えていたとはいえ、悪くはなかった。末っ子が好きな女の子を追って北海道まで行ってしまったのはいくらなんでも無茶。最後までいい味出してた隣人(小林聡美)が思い切って新しい関係を築こうかとしている相手がミッチー! キャラとしては、いい人だけど見栄えは悪い、ぐらいの役者のほうがわかりやすかったはずだけど、ちょっとうれしいサプライズでした。あと、ベテラン専業主夫のはずの田村正和の料理の手際の悪さに驚愕! 病院で向いたりんご(桃?)はベコベコのボロボロ。手元は映さずに差し替えてあげればよかったのに。そんな演出の雑さが目立ったドラマでした。  

  • 『タイヨウの歌』

 キャストはけっこうよかったのに、行き当たりばったりな展開がかえって盛り上がりを削いでた。桐谷健太のチンピラとか、原史奈のライバル歌手とか、なんだったんだろう!?って感じ。そーいえば、脚本の渡邉睦月といえば、『輪舞曲〜ロンド』でも同様にとっちらかっちゃってたっけ。

 最初から最後までどーでもいいドラマ。後半3話ぐらいは、もう終るか、終るかと思いつつ、まだ続く気!?と驚かされた。篠原涼子と岩下志摩のスケジュールを押さえてコレかよー!? 印象に残っているのは、篠原をマンションに呼びに行くシーンで、岩下だけ明らかにCG合成だったこと。他のキャストと立ち位置も色みもぜんぜん違ってて、ウケました。

 古くさい、説教くさい、ご都合主義の三重苦。内舘牧子ドラマほどの業も思い切りもなく、昼ドラほどのカタルシスもなく、時間がとても長く感じられました。原作を立ち読み(笑)したら、旦那は死なないみたいじゃないですか! 石田純一んちは、若い愛人が子どもを押しつけて失踪、本妻に愛想を尽かされる、ってオチなのに、ドラマでは訳知り顔の妻と顔を見合わせてニヤニヤ。なんだよ、それ? 松下由樹の演技力と存在感は大きな救いだったものの、どーしたって愛人ってガラじゃないんだよなぁ。イメージ的には、マチ子役が木村多江だったらもっと説得力が増したかも。愛人の動機、心境は最初から最後まで謎だったし、杉田かおる演じるベビーシッターの本心もよくわからないまま。原作を適当にイジるのもいい加減にしろっ!
 まだ最終回じゃないたけど、『怨み屋本舗』はけっこうおもしろかった。時々見ていたものは『レガッタ』『ダンドリ。』。見なかったものは『サプリ』『CAとお呼びっ!』『PS−羅生門』『黒い太陽』。以上、メモ書きでした。