『妖怪大戦争』

Too2005-07-18

 天才子役、神木隆之介くん扮する麒麟送子ことタダシが日本全国の妖怪と力を合わせて悪霊軍団と戦う! 大人も子供もなーんにも考えないで楽しめる冒険モノ。モヤシっ子タダシが細っこい手足でがんばる様子を手に汗握りつつ応援したあとは、妖怪の造形や配役の妙を堪能しながら、何回か見たい。
 というか、まだ1回しか見てないんですけどね。どうしても、「あ、小豆洗いはナインティナインの岡村かー」「えっ、大天狗、エンケン!?」「忌野清志郎ぬらりひょん!」と、俳優のほうに目がいってしまう。それはそれで話題作りとしては大成功なんだが、妖怪の造形がどうしてもハリボテ&特殊メイクっぽいため、余計に俳優の持ち味に頼っている部分が強調されて(特に竹中直人とか)、妖怪好きにとってはちょっと残念。量とか種類の多さでいうと、これでもか!っていうぐらい、妖怪尽くしなんですが。やりすぎなぐらい。数は少なくてもいいから、もうちょっと凝ってつくってほしかったような。そういえば、マスコットキャラ的な“すねこすり”がまた、かわいいのかかわいくないのか微妙なんですわ。あからさまにぬいぐるみ(しかも毛質が安そう)だし。
 オチがまた……ねぇ、ビックリなんですよ。さすが、三池崇史監督、脱力するぐらい小さくて(小豆だけに)むちゃくちゃなことを、力技で強引にOKにしてしまう。総製作費13億円の大作でもやりたい放題。いや、三池監督ひとりのせいではないんだろうけど、脚本家とかプロデューサーとか、みんなあれでOKだったわけ!? 観客もあれで納得できるわけ?(特に子供)。いや、大爆笑しましたけど。主題歌もトバシすぎ。すげー、耳に残る。ビバ!キヨシロー!! いいぞ、陽水!! 
 妖怪大翁(水木しげる)の「戦争はいかん」というセリフにはグッときた。小豆は体にええけど、戦争はいかん。正論。
 続編への伏線なんだろうけど、最後の部分はいらなかったかもな。あんなにキュートなカミリュウが××に!! いや、××も好きですけど。

http://www.walkerplus.com/movie/report/report3524.html?identifier=pickup3
↑完成披露舞台挨拶の様子が、とても詳しく書かれている。
 すねこすりのぬいぐるみを持たされた神木くん、司会のアナウンサーから「緊張して愛用のぬいぐるみを持っているわけではなくて、映画のなかで重要なキャラクターなんですよね」とか言われてた。
 実物は黒髪がとても美しい栗山千明ちゃん、アギのコスチュームはそれはそれでカッコイイけど、髪はもったいないなぁ。「『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリポタ』に負けない、世界に通用する作品に」という狙いなら、ヅラは止めればよかったのに。たとえ、『キル・ビル』のGoGoとカブってしまったとしても。
 舞台挨拶では川姫役の高橋真唯ちゃんのほうに注目が。確かに、横から見ると下着が!?という露出度高めのコスチュームにはドキドキ。透明感があってキュートっす。そういや、この日は阿部サダヲさんがいなかったのが惜しいなぁ。
 ……見終わって、席を立ったら、なんと真後ろに荒俣宏大先生が!! 映画のどのシーンより仰天した。
〔8月6日全国ロードショー〕