『女王の教室』

 今クールもっとも楽しみ&問題作だったドラマを、やっと全部見終わりました。真矢(天海祐希)が本当はいい先生だったというのは予想通りの展開。しかし、眠らず食わずで倒れるほど生徒を見守る(ものは言いよう。見張る、とも言う)って、やっぱり行き過ぎ。しかも、あれほど真矢を恐れていた生徒たちが、一転、「先生なしでは!」となってしまうのは一種のマインドコントロールでは……。生徒を助けるシーンは『ごくせん』そのまんま。そういう、笑えるシーンとか、“ドラマなんですよー”というエクスキューズがもうちょっと効いていれば、拒否感を緩和できたかもしれないのになぁ。エンディングのダンスだけでは、中和しきれていなかったような。真矢が卒業式に合わせて生徒のデータを消去していくところは、生徒に異常に執着しているわけではないことを表していてよかったと思います。惜しむらくは、最後の笑顔。「アロハ〜」と口が動きかけるところまでで、十分だったのでは。どうせエンディングで踊るんだし。
 ずっと同じに見えていた真矢の黒い衣装、実はハイネックだったり、平襟だったり、微妙に違っていたんだとか。シルエットはロッテンマイヤーさん(アニメ版ハイジ)みたいで、笑うセェルスマン(表記が違う気がする)も入っているような気がしていましたが、登場の仕方とか、メアリーポピンズみたいでもありました。メアリーポピンズも、表面的には高圧的で、ちっとも優しくない。でも、実はとても優れたナニー。なるほど(ひとりで納得)。

女王の教室The Book

ASIN:B00069BLR6:image

帰ってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫 53)