『人形の家』トーベ・ヤンソン・コレクション5

 短篇集。表題作『人形の家』は、精巧なミニチュアの家づくりにとりつかれていく主人公の息づまるような緻密な描写が秀逸。緊張が最大限に高まったところで、思いがけないオチがつくあたりもお気に入り。こうして読み返してみると、『大いなる旅』と『人形の家』は同性カップルの話なんですよね。『大いなる〜』のほうはそうではない読み方も可能だとは思いますが。