小倉は謝りません

 朝御飯のとき、平成ムーミンの最終回をかけていました。1話だけ、ディスクにうまく収まらなかったので、HDDに残っているんです。で、電源を消そうとしたとき、チラッとテレビがうつりました。フジテレビの『とくダネ!』のエンディングだったのですが、アナウンサーが神妙な顔をしています。(以下、あまり楽しくない長文)
「さきほど、〜〜事件の精神鑑定の結果を“心の病気”と表現しましたが、正しくは広汎性発達障害自閉症などの障害の総称で、病気ではありません」と笠井アナ(多分)。まだ時間が余っちゃったのか、小倉智昭がしぶしぶ引き継いで「ボクが言っちゃったんですが、よくわかりません。難しいですね」だと! その発言のせいで、ますます混乱したので、ちょっと調べてみました。
 まず、病気と障害の違い。手元の辞書では「病気=身体の生理状態に異常が起きること」「障害、障碍=(1)さまたげ、(2)故障、(3)障害物競走の略」。とすると、病気<障害、病気は障害の一部であって、障害=病気ではない、ということでしょうか。やっぱりよくわかりません。
 ネットでさくっと検索してみても、発達障害を「心の病気」と記述しているケースは少なくないようです。いわゆる「心の病気」という言葉自体、「心って何?」と考えると、ありえないわけですが、「精神病」とかよりマイルドな響きなので、ついつい使ってしまいがちなんですよね。
 ウィキなどを見ると、ありゃ、「発達障害=広義の精神疾患」ってことになってます。
 じゃあ、いったい何が問題だったのでしょうか。語句だけでなく話の流れで不穏当な問題発言があったのか!? 気になりますが、問題は小倉が何を言ったか、ではなく、自分がどう理解すればいいのか、です。


発達障害は先天性であることが多く、テレビやゲームや(主に母親の)教育のせいにするのは間違い
自閉症は心を閉ざしているわけではない(むしろ開いているケースもある)
*心の病気という表現は正確ではないので使わないようにしよう


 以上、3点が、小一時間かけて勉強した結果。
 おそらく、番組に抗議が入ったであろうポイントとしては、心の病→精神病→障害者→犯罪と、ひとくくりの印象を与えるのが好ましくない、ということなのではないかと推理。犯人が発達障害だったという事実は事実として対策を講じていかなければなりませんが、発達障害精神疾患(と、ひとくくりはまずいか)でも、犯罪とは無縁の人のほうが多いわけですから。
 あと、すごく問題だと思うのは、小倉の認識不足と、不遜な態度。テレビで発言している以上、ニュースであれ、バラエティであれ、できるだけ正確な発言を心がけるのは当然の義務。で、間違いの指摘を受けて訂正しているにも関わらず、一言も謝らなければ、反省の色も見せない。あー、ヤダヤダ。(しかも、検索をしていたら、過去に同様の発言でかなり長い訂正放送を行った事実も発覚。だめじゃん)。
 と、人ごとのように書いている場合ではなくて、つい最近、あるところで「心の病」って表現を使っちゃったんだよなぁ。PTSDに起因する幼児退行状態をやんわりと短く現したつもりだったんですが、しまったなぁ。ここで謝ってもしょうがないんですが、次から気をつけたいと思います。