リトルミイbot

Too2014-09-18

 そういえば、ブログに書いたことがなかったような?と思ったので、昨日の補足の意味で、偽リトルミイ名言botについて語っておきます。長くなりそうなので、先に写真を。
 All Things MOOMINイベントの日、通りすがりのお店で見つけたミイのシリコンカップカバー。
↓定価は540円。

 まさかの200円+税。

 最初に買ったのはニョロニョロで、北欧雑貨市でスナフキンを追加。キャラクターのあたりをきゅっと押すとピタッと密着します。傾けたらこぼれると思うけど、ほこりよけだけでなく、ラップ代わりにも最適。キャラがいないほうがかさばりませんが(笑)。

↓おっとムーミンがいない〜。これはマグ付きで1080円。安い!

 さて。http://matome.naver.jp/odai/2136459726373390301に、ずらっと並んだ名言をご覧ください。リンク踏みたくない方のために、3つほど、引用してみます。
「縛らないことよ、自分で自分を。わたしはかわいい、わたしはブス。わたしは賢い、わたしはダメ。わたしはモテる、わたしはモテない。あなた、自分をすぐ何かに決めつけようとするでしょ。本当の自分を見つけるのはもっとずっとずっと先の話。今することは、一生懸命迷うことよ。」
 ん? ミイがブスとかモテとか言うでしょうか? 新訳(笑)?
「女ってね、時々、好きな人といたくて。時々、好きな人の前から消えたくなるの。それをわがままっていう男とは、一緒にいれないわ。それをかわいいって思う男とは、長くいれそうね。」
 え? コミックスには恋愛エピソードもありますが、ミムラねえさんかスノークの女の子ならともかく、これはミイらしくありません。しかも「いれない」「いれそう」と「ら」抜き言葉です(笑)。
「みてるわよ、あなたがしていること。あのね、神様じゃないわよ。もうひとりのあなたがよ。もうひとりのあなたがあなたをみているのよ。見放されないようにね。嫌われないようにね。」
 うーん。クリスマスツリーのてっぺんに星ではなく薔薇を描いたトーベさん(初期の作品には天使や聖書モチーフも多いですが)。ミイに「神様」なんて言わせてましたっけ?
「【リトルミイ】胸にグサッと、突き刺さる【名言集】」とのことなのですが、私の胸にはひとつも刺さらないばかりか、まったく引用元に心当たりがありません。ちなみにスナフキン版→http://matome.naver.jp/odai/2127000228523916001。こちらは、ああ、あの場面の言葉ね!と、次々に原作が浮かんできます。どういうことー?と思っていたら、ムー友さんが「リトルミイのアカウントでツイートしていた人は赤猫リブ・リビィと名前を変えて本を出した」と教えてくれました。
↓それがこちら。レビューにも経緯を書いている人がいるので、Amazonのリンクを貼っておきます。

赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」

赤猫リブ・リビィの「強くなれる賢者の言葉」

 自分で検証はしていないので、「リトルミイはそんなこと言ってない(あるいは、赤猫リブ・リビィなる人物の挙動について)‐SEM酒場」「リトルミィbot → 赤猫リブ・リビィは石黒謙吾氏の仕込み‐SEM酒場」の記事を信じるとすれば、リトルミィbotというアカウントで、ミイのアイコンで、創作の言葉をツイートし、注目と話題が集まったところで名前を変えた、と。自分の言葉に自信と誇りがあるなら、何も既存のキャラクターの知名度に頼らなくてもよかったんじゃ?と思いますが、まぁ、ご本人もミイが好きだったのかもしれません。
 でも、「リトルミイってどんなキャラか一言で説明して!」と言ったとき、「毒舌」「怒りっぽい」「前向き」「正直」「かわいい」等々、人によって抱いているイメージは違うと思います。私はミイはもっと端的にポイントを突くタイプだと思っていたので、前出の「名言」はまわりくどくてミイらしくない、と違和感がありました。「ミイだったらこう言う」「スナフキンはこういう言葉を言いそう」と、いくら想像を巡らせたところで、それが他のファンが抱いているキャラクター像と一致するとは限りません。ですから、キャラクターごっこは自分の心のなかに留めておいて、オリジナルの言葉をキャラクターの言葉としてツイートするのはやめてほしいな、と思うのです。
 ネットには嘘もある、出典の明らかでない「名言」は本物ではないかもしれない、そういう前提をわかった上で楽しめる人ばかりではありません。実際、「ミイの言葉、ネットで見たけど、いいね〜」なんてことを言われて困惑しているムーミンファンは少なくないはず。また、オンエアはされずにボツになったテレビやラジオの話がいくつかあったのですが、企画段階で必ず言っていいほど「名言が人気!」という要素が盛り込まれていて、「名言ってどれですか? それは原作にはないセリフです」といったやりとりをせねばならず、とてもめんどくさい思いをしてきました(笑)。
 今も、ミイが言っていない名言をミイのものとしてツイートし続けているbotがたくさんあります。名言がきっかけとなってムーミンに興味を持ってくれる人が増えるなら、という考え方もあると思いますが、原作を読んで「あれ? 私の好きだった名言がない」とがっかりする人もいないとは限りませんし、逆にネットで名言を見つけて「グッズはかわいいけど、こんなダサいこと言ってるなんて」と敬遠する人もいるかもしれません。なんにしても、嘘はよくない、と思うのです。
 長くなったので、写真を追加。イベントでいただいたもの。なぜかミイに縁がある日でした。

トーベ・ヤンソンムーミン童話に出てくる名言、名場面を集めた本。ムーミンの名言が気になる方はぜひこちらを。



 追記/実は昨日、いったん書いた投稿が消えまして、書き忘れたことがあったので追加します。ミイの表記、ネットではいろいろ見かけますが、日本での統一表記は「ミイ」(イが大文字)だってご存じでしたかー? 小説だと「ちびのミイ」、英語では「リトルミイ」ですね。botのアカウントは写真をよく見ると「ミィ」でした。だからといってアイコンもミイを使っているので、「ミイとは名乗っていない!」なんて言い訳は通用せず、間違ってんじゃーん!って話なんですけど(笑)。もひとつ、わたしのブログネームのtooは「too much」とかのtoo(やりすぎ、とか、集めすぎ、とか)でして、もちろんトゥーティッキは大好きですが、けっしてトゥーティッキを騙ったり、なりすましたりしているわけではありませんので、念のため(笑)。