建築技術

Too2017-07-05

 昨日に続きまして、デアゴスティーニ『週刊ムーミンハウスをつくる』のハードルのひとつ、あのような大作を自分で作ることができるのか!?について。実際に9号まで組んでみた正直な感想は「楽しい!」「次が楽しみ!」です。
 具体的には全国発売後に1号ずつ、組み立ての様子をレポしていこうと思いますが、初回組み立て時の写真を交えつつ、どんな感じなのか、ちょっとだけご紹介しますね。
 画像は自前で用意した道具と、付属の接着剤(左手前)。

 わたしはもともと中学生ぐらいのときにガンプラを作ってみて、向いてない……と思ったタイプ。当時のプラモデルの場合、パーツをひとつひとつ切り離す段階でバリが出て、しかも塗装しないと仕上がりがまったくそれらしくない。手順はややこしいし、パーツはごっちゃになるし、間違って接着した日には! そんな過去の経験と比べてみると、この『ムーミンハウスをつくる』はマガジンの組み立て説明がすごく丁寧でわかりやすい。相方は「文字は読みたくない〜」なんて言っていて、その気持ちもわからんでもないのですが、落ち着いてマガジンとパーツをちゃんと照らし合わせて作業をすれば、失敗することはなさそうです。まぎらわしいパーツにはひとつひとつ番号とか、abみたいな記号が印刷されていますので、あまり難しいことはありません。webサイトにポイントを説明してくれる動画もアップされていてるので、見たほうがスムーズだと思いますが、マガジンだけでも問題なく組み立てることができます。
 おもしろいな、と思ったのは、プラモデルのようにプラスチックパーツを組む→塗装、とか、ブロックパズルのようにただただ組み立てるだけ、というのではなく、いろんな作業がある、ということ。得手不得手はあると思いますが、ひとつの作業が長く続くことはないので、飽きないんです。苦手だなと思う作業があったとしても、それだけが長く続くことはないので、そんなにしんどくありません。
 逆に、ひとつのことを習得したら続けてやりたい、時間がたつと忘れちゃう、という方は、1号ずつ組むのではなく、パーツを集めておいて、床は床、屋根は屋根、とまとめて作業をしてもいいと思います。1号あたりのコスト配分もあり、たとえばタイルストーブや料理用オーブンのパーツが3号に渡って届く、というようなこともありますので、ひとつの家具のパーツが全部揃うまで待って、まとめて組み立ててもいいと思います。
 創刊号では、木製パーツを組み合わせて接着する玄関ポーチの一部の組み立てと、ムーミントロールの金属製ベッドとマットを作る、という作業があります。パーツは着色済で、部分的にあえて紙ヤスリをあてて、実際に使っているかのような風合いを出す、というテクニックが紹介されています。

 小物/家具のなかには、カゴやランプなど、完成品がついてくるものもありますが、ベッドの場合は金属パーツの組み合わせ、スポンジを布で包んでマットを作成、後の号でベッドカバーと枕を作る、などの作業を経て、自分で完成させます。この、ひとつひとつ自分で作っていく、という工程が、楽しみであり、愛着がわくポイントなので、「面倒」などと思ってはいけません(笑)。ちょっとぐらい失敗しても家具なら全体に影響は出ませんし、「ムーミンパパの手作り」と思えば、多少のガタつきはご愛嬌! 万が一、本格的に失敗してしまったり、パーツをなくしたりしてしまっても、そのパーツだけ買い直すことができるようなので安心です。

 作業内容と慣れにもよりますが、1号あたりの所用時間はだいたい1〜2時間ぐらいでしょうか。2〜3号まとめて組み立てた日もありましたが、ワイン飲みながら半日ぐらいで終わる感じでした。
 作業に使う道具は、セールで買って使っていなかったミニトランク(子ども用?)と、ハウス型のペンケースに収納しています。

 わたしもまだ一部しか作っていませんので、不明な点もありますが、基本的には必要なものはすべてセット含まれていて、手順どおりに作業をしていけば、精巧なムーミンハウスが完成します。家具の色など、自分で絵の具を用意するケースもあるようですが、ナチュラルカラーが好きなら着色しなくてもOKですし、見本どおりではなく好きな色にカスタマイズすることも可能。ダメージ加工を強めに施して、「洪水で水没した後」とか「彗星の灰をかぶった後」みたいな演出をするのも自由ですし、ピカピカの新築のままを楽しむのもありです。
 もしかしたら逆に、決められたパーツを組むよりも自分でイチから建てたい!なんて腕に自信のある方もいらっしゃるかもしれません。でも、設計にせよ、素材集めにせよ、これだけのものをイチから作るのはかなり大変だと思うので、ベースはこのシリーズを使いつつ、自分のイメージどおりにアレンジすることをオススメしたい(笑)! 
 ムーミンファンの方ならご存じだと思いますが、ムーミンって設定にユルいところがあるので、ハウスに関しても小説とコミックスでは部屋割りやインテリアにさまざまな違いが見られます。アニメでも昭和の灰色のコンクリート打ちっぱなしの塔みたいな家と、平成の楽しく飾られた家では雰囲気がまったく違いますし、小説の記述を実際の建造物に置き換えるには無理があるというか、この部屋数でこれだけの家具を入れるにはもっと横に広い巨大サイズでないと無理!みたいなこともありました。このムーミンハウスは、ドールハウスの第一人者の村上一昭さんが設計と制作に携わり、わたしもあーでもないこーでもないとファン目線から意見を出させていただき、最終的には著作権管理者の厳しい監修を経て、何年かがかりで完成したものです。
 実際に組み立ててみて驚いたのは、壁とか、骨組み(柱?)があって、薄い木の板を貼って、さらに壁紙を貼るという、本物の家か!?みたいな造りなんですよ〜。しかも、ハウスは円形、壁もまっすぐではなく、微妙にカーブしているという。壁や床など、木製のパーツが多いので、匂いまで本物の家みたい! ドールハウスってまったく知らなかった世界なのですが、楽しいですね。なんといっても憧れのムーミンハウスですし! 8月29日の全国版発売までは、地方先行版も月1回の刊行なのですが、次が待ち遠しいです(とか言っている間に仕事しろよ〜って感じですが)。