羊毛フェルトのムーミン展

Too2013-03-08

「YOSHiNOBUがおくる羊毛フェルトムーミン展」に行ってきました! オープニングなので作家さんのお話も直々にお伺いできましたが、ムーミンたちのボディは毛を1本1本植えているんですってー。立体なので、見る角度によって表情が変わります。お近くの方はぜひ実際に見に行ってください!
 場所は代々木上原CASE gallery。作家さんのサイトは→make animals YOSHiNOBU
 作品は天井から吊った板の上に展示されています。台に乗って見る高さを変えると、ムーミンたちと目が合うんですよー! 台が軽くゆらゆら揺れるのも不思議な感じ。

 板は部分的に丸くカットしてあるので、近くから見ることでできます。

 まず出迎えてくれるのはパパとママ。

 最初にお読みになったムーミン童話が『ムーミンパパ海へいく』だったそうで、灯台守の帽子をかぶったパパも。

 試行錯誤中だというスナフキン。今回の展示物は受注販売を受け付けるそうですが、実はまだ監修前で、少し変わっていく可能性もあるそうです。

 ニョロニョロ。これは今回のような展示なら、1体ずつ作って配置したほうが映えたかもしれません(商品として売る分にはセットになっていたほうがいいかと思いますが)。

 ミムラねえさん。もともと動物を作られているそうなので、人っぽくないもののほうがお得意なのかも?とも思ったのですが(フェルトで目を表現するのはハードル高そうですし)、すごくかわいい! ひょーんとした立ちポーズ、いかにもミムラねえさん!という感じです。

 横から見てもかわいい。

 そしてミイ! いまにも「ちょっと、アンタ〜」ってミイの声が聞こえてきそう。すっぽりかぶった服の裾の汚れにもこだわったそうです。どういう仕組みかお聞きできなかったんだけど、この小さい足でピタッと自立しているのもスゴイ。

 スニフはちょっとわたしのイメージよりはスリムかな? でもすごく雰囲気は出ています。

 見上げると枝の上にご先祖さまが!(ピントが合ってなくてすみません) 埃っぽさを出したかったとのことで、茶色ではなく、グレーがかった色みです。

 あまり詳しくは伺えなかったのですが、アニメ版はご存じで、原作小説をお読みになり、画集を主な資料にして作られたそうです。絵が違うからコミックスはご覧にならなかったそうですが、スティンキーはこの通り、見事な出来ばえ! トーベさんの絵は時期によってけっこう違うので、資料を限定することで逆にイメージがブレなかったのがよかったのかもしれません。が、このスティンキー、ちょっとデカい(笑)。何センチかはわかりませんが、ムーミンやミイは、“そうそう、こんな大きさだよね”というサイズ感なのに、スティンキーとご先祖さまだけ妙に大きめ。商品化の際には修正されるかもしれませんが、いくつか並べて飾りたいというリッチな方はご注意を(笑)。

 トゥーティッキ。髪の毛がぼわっとしてるところとか、背中の丸い感じとかが絶妙です。

 んー、顔がちょっと丸いかなぁ(笑)?

 なんとなく入り口から順にご紹介してきましたが、ムーミンはいちばん奥にいました。うみうまに会いたかったのに、モランがきてしまったシーン。

 フェルト作品の場合はわかりませんが、この大きさのものを作るときは中に発泡スチロールなどの心材を入れることが多いんじゃないかと思うんだけど、針金しか入れていないそうです。羊毛をつけて形を作っていくのは大変な作業なんだろうなと素人でもわかりますが、モランってもうちょっと丸くて裾がなだらかに広がってるイメージ……。岩っぽいなぁと思っていたら、“ぬりかべっぽい!?”という声が(笑)。ソレだ!

 うみうま。花模様にたてがみ部分、いろんなワザが駆使されているのが見てとれます。

 あれ、そういえばおじょうさんが不在だったような? 主に『パパ海』と『ムーミン谷の冬』をモチーフになさっているせいかもしれません。フィリフヨンカ、トフスランとビフスランも作成中だそうで、会期中に間に合えば追加で展示するかもしれないとのこと。すぐには無理だと思いますが、この雰囲気だったらヘムレンさんも見てみたい! 枯れた草木の背景に似合うと思う〜。

 価格は1体52500円だったかな(端数は定かではありません)。この箱に入れてくれるそうです。

 原作の世界を大切にしつつ、作家さんの個性を生かしたものを作るというのはすごく難しいと思うんです。鈴木マサルさんのハンカチもそうですし、ステンドグラスや谷口千代さんの粘土作品を拝見しても、原作のイメージが自分のなかで強ければ強いほど“ちょっと違う”とか“もうちょっとこうじゃない?”とか余計なことを言いたくなってしまう。かといって、作家さんの色がまったくないのもつまらない。森下圭子さんからお聞きしてすごく心に残っていることなのですが、フィンランドムーミンワールドではキャラクターに扮するキャストさんに演技指導をまったく行わないんだそうです。“ムーミンっぽく振る舞うマニュアル”なんて一切なくて、それぞれが自分自身の抱いているキャラクターのイメージに基づいて自由にやっていいんだとか。こういう作品を作る方も、イベント等でムーミンキャラクターのコスプレをする方も、ご自身なりの“ムーミン観”を大切にしてくださればいいなと思います。個人的には、YOSHiNOBUさんのムーミン以外の造形にもかなり興味がわきました。
↓改めて画集を読み返しています。