ユヴァスキュラ後編&ペタヤヴェシ

Too2015-03-06

 ユヴァスキュラ - おでぶさん時々おしゃまさんの続きです。6月30日(月)、ホテルでひと休みして、16時頃、駅へ。

 30分強でユヴァスキュラからペタヤヴェシに到着。世界遺産の教会のあるペタヤヴェシの最寄りの大きめの街がユヴァスキュラで、目的は教会です。

 驚いたことに駅には世界遺産の表示も地図も見当たりません。

 材木がいっぱい積んでありました。

 謎アート。

 そもそもフィンランドの駅には改札というものがないので、正面出口がどっちなのかも不明。ざっくりした地図と線路、電車の方向などを照らし合わせて、他の2組の乗客が歩きだした方向と同じだったので、後をついて歩いていきました。

 なんとなく観光客ふうの老夫婦と、いかにも地元民っぽい若いカップル。老夫婦は教会に行くのではないかと思ったのですが、道なき道をずんずん進んでいきます。

 開けてきた!と思ったら、なんと、老夫婦が家に入ろうとするではありませんか! 少し前からこちらを気にしてくれていたふうだったふたり、立ち止まって話しかけてくれました。地図を見せて、「世界遺産のオールドチャーチに行きたい」と伝えたのですが、なんとなんと、まったく通じない。英語もわからないようなのですが、外国人がここで迷っていたら、目的地はひとつ!と思わないというのも衝撃。それでも地図を見て、ふたりで話し合い、一所懸命こちらに伝えようとしてくれます。フィンランドではこういう親切に何度も助けられました。キートスを連発して、先を急ぎます。そう、我々には時間がないのだ〜。

 さっきのカップル発見。教会に行きそうな雰囲気はまったくありませんが、同じ方向に進んでいるようです。

 道にはルピナスが咲きみだれ、天気はいまひとつですが、散歩は楽しい! でも、電車がついたのが17時ぐらいで、帰りの電車は19時。それを逃すと22時!なので、我々には2時間しかないのです。

 なんてことない道端に花が咲きみだれています。

 緑もきれいなのですが、見通しがきかないのが不安……。

 おおお、看板発見! Vanha kirkkoはオールドチャーチのことなので、こっちで合ってます。

 ネットの情報だと、湖沿いの素敵な道を進んでいくと教会が見えてくる……とのことだったのですが、味気ない国道みたいな道を来てしまいました。でも、方向が合っているならそれでよし!

 やっと湖が見えてきました。

 雲行きがちょっと不安。

 あまり役に立たない情報ですが、このWC、非常に重要! ペタヤヴェシに行く皆さん、トイレを見かけたら行っておきましょう!

 教会が見えてきました。駅からは徒歩20分ぐらいでしょうか。

 ネットで見たような風景が。天気が悪くて残念です。

 教会近くの牧草地に羊がいました。

 ミラーレス一眼の写真なのですが、望遠レンズしか使えなくなっていたので、ズームは得意です(笑)。

 時間があまりないので、急いで中に入ります。

 ああ、わくわくする!

 祭壇正面。

 これよ、これが見たかった! テレビの世界遺産紹介番組で見て、心奪われてからずっと見たかった木造の聖人、やっと見ることができました。アクセスがあまりよくないので、これまでずっと諦めていたのです。

 並んでみると、人間の顔の大きさの2倍ぐらいのサイズかな。設置されている位置は低いので、間近に見ることができます。

 頭で説教台を支えているのです。そのけなげさがまたたまりません!

 この教会は1760年代前半に、他の教会建築を知らない地元の大工さんたちが想像力を駆使して作り上げたといわれています。

 聖クリストフのほかにも、説教台、天井などにも愉快な天使や聖人が多数あしらわれています。


 天井に刻み込まれたイニシャルもどこか奇妙。読み書きが得意ではない大工さんたちが自分たちのイニシャルを刻んだものだそうです。



 シャンデリアも木製。




 天井の細かい細工にも目を奪われます。


 もちろん壁や床も木造。


 礼拝堂の手前にある売店の天井。

 フィンランドにもゴキブリホイホイが!?

 消火器は非常に大事ですね。

 売店の商品がまたすごい。なぜかイラストのポストカードに……。

 なぜこうなった!? てっきり地元の学生、いや、児童たちがボランティアで作ったとかだと思って、「どうしてこんなに違うの?」と訊いてみると、なんと、「同じひとりのアーティストが作っているのだけれど、作った年代が違うので、だんだん変化していったのではないか」、と。いいのか、そんなんで!

 ある意味、この教会の自由な精神を正しく受け継いだグッズだと思います。

 さて。教会にはトイレがあるもんだと思い、場所を訊ねると、またしても衝撃の返事が。外を指して、「トイレはないから、あっちのほうの空き地を使って。今日は人数が少なかったからキレイだと思うよ」……!!!

 外に出たら雨がパラついていました。森ですらなく、ただの原っぱ。雨のなか、尻をさらす勇気はなかったので、致さないことにしました。

 外観を撮影。鐘楼は1820年代に後から作られたものだそうです。


 雨を避ける羊たち。

 帰りは湖沿いを歩きました。


 こちらは現在使われているニューチャーチ。オールドチャーチのほうは結婚式や特別な祭事のときに使われているそうです。

 駅に戻ってきました。ちなみに途中のスーパーにも、駅にもトイレはなかった(駅舎が閉まっていたのかも)。カフェはあったのですが、時間がなかったので寄りませんでした。

 19時の電車に乗りました。少しレトロな車両。



 車窓から。雨が降っています。

 19時半。ユヴァスキュラに戻ってきました。冷えきってしまったので、温かいご飯が食べたかったのですが、ネパールカレー屋さんか大きめのホテルのレストランぐらいしか見当たりません。駅のすぐ前に素敵げなレストランがあったので、「温かいスープか何か、軽く食べたい」と伝えると、「スープ、あるよあるよ!」てな感じで席に案内してくれました。

 ん、なんかちゃんとしたお店っぽいですよ!?

 手の込んだ前菜(お通し?)が出てきびびる。

 赤ワインと温かい紅茶を頼みました。

 食器がマリメッコ

「魚のスープ仕立て」みたいなことを言っていたと思うのですが、思っていたのと全然違う〜。魚のいろんな食感が楽しめておいしかったけど、もっと温かいものが食べたかった(笑)。

 この店はボリュームが少ないぞ、と気づいたので、肉と魚のメインを1つずつ頼みました。


 デザートも2つ。



 駅で明日の切符を買って帰りました。

 さっきのお店。駅のすぐ前です。

 ホテルに戻って買ったものを眺めてニヤニヤ。

 木造教会、はるばる行ったかいがありました。素朴なのに精緻。唯一無二に造形。すばらしかったです。行ってみたいという方はオープン時間と電車のタイムテーブルをしっかり確認なさってください。ヘルシンキからの日帰りも可能だと思いますが、ユヴァスキュラに一泊するなら、泊まった翌日にペタヤヴェシに行くのがいいかもしれません。我々は明日、タンペレ経由でヘルシンキに帰り、そのままソーダーシャール島に行くというハードスケジュール。相方の声がどんどん嗄れていくのが気がかりです。
→教会詳細はEtusivu - Petäjäveden vanha kirkko