クルーヴハルへの遠い道のり/クルーヴハル旅行記1

どこに書こうか迷ったのですが、拡散よりも個人的な記録が目的なので、古巣に戻ってきました。2年ぶりの更新! 前の旅日記も放置したままのような気がするのですが、ゆるっとおつきあいいただければさいわい。

 

2024年8月8日から日付変わって30日まで、フィンランドに行ってきました。2019年12月に行ったきり、コロナを経て、ロシア上空を飛べなくなってから初めてのフィンランド。目的はトーベ・ヤンソンとパートナーのトゥーリッキ・ピエティラが1964-92年の間、夏を過ごした島に1週間滞在するため。

 

話は2007年、初めてフィンランドに行った夏にさかのぼります。

フィンランドに行きたい、行けるのかもと最初に思ったのは、2000年前後、短大を卒業した頃。ちょうど平成アニメこと『楽しいムーミン一家』が人気を集め、ツアーが企画されたのでした(雑誌『MOE』にも同作のキャラクターデザイン、原画などを手がけた名倉靖博さんと訪ねるフィンランドの記事があったことを記憶しています)。しかし、社会に出たばかりのわたしにはあまりにもツアー代金が高額でした。後輩が申し込んだと聞いて、すごくうらやましかったのですが、催行人数に達せず、ツアーは中止になってしまったとか。

それから折に触れ、フィンランドに行きたい!という気持ちは逃避願望のように浮上したのですが、2007年、春にパートナーの父が亡くなった年、これはもう実現しなければ!と急に思い立ち、プランを練り始めました。

2005年、ムーミン作品の出版から60年にあたる「ムーミン60」の年、トーベの誕生日8月9日を「ムーミンの日」とするイベントが日本で開催。盛り上がる日本の様子をフィンランド国営放送が取材することとなり、ムーミン公式サイトで取材の呼びかけがありました。たまたま引っ越したばかりで、家が片づいていて、意外にたくさんのムーミングッズを持っていることを実感していたところだったのでエントリーしてみると、取材チームがうちにやってくることに。このとき、当時のムーミン公式サイトを運営している方と知り合い、2007年にフィンランド行きを決意したとき、相談に乗っていただくことができました。

それまで海外旅行といえば旅行会社が企画するパックツアーに参加したことしかなかった(正確には弟が住んでいたアメリカ訪問だけはフリープランを組んでもらった)のに、検索をしているうちに航空券はフィンエアーで取れるし、ホテルもネット予約可能だと気づき、どうせなら取材という形にすれば通常は行けないようなところもまわるし、多少のギャラも得られるのではないかと思いつきました。ツテのある出版社をいくつかあたり、タイアップなども打診したのですが、結局、長く仕事をしてきた『テレビブロス』に記事を掲載してもらえることに。

このときの旅行記もこのブログに書いていて、このあたりからリアルタイム投稿と帰国後のレポートなどを読むことができます。

ヘルシンキから始まり、タンペレムーミン谷博物館(当時)、ナーンタリのムーミンワールドをめぐる、ムーミンツアー。ハイライトはなんといっても公式サイト経由でアポを取ることができたトーベ・ヤンソンのアトリエ訪問! ヘルシンキのトーベのアトリエは観光客には公開されておらず、最近は取材もあまり入れていないようなので、本当にラッキーでした。もう一カ所、夏を過ごした島も当然候補に入っていたものの、公式サイトの方がフィンランド在住の森下圭子さんに打診してくださったところ、最寄りの町までの交通の便が悪く、島に行くには船をチャーターせねばならず、天候が悪いと必ず行ける/戻れるとは限らないため、数日のゆとりが必要、また、森下さんは別件が入っており、コーディネートをお願いするのは難しい、とのこと。ハードルが高すぎるといったん諦めたのでした。