1月10日(HAM〜トーベ&草間彌生展)

Too2017-02-05

 写真を撮る暇がまったくなかったのですが、急激にお腹が減ってきたので、アラビアからホテルへのトラムのなかでチョコバーを食べ、荷物を置きに戻ったホテルでフルーツをかじりました。
 14時。Sさんと待ち合わせ。「お腹すいてる? 先に何か食べる?」と言ってくださったので、「実はお腹がすいているので、おすすめのお店があったら連れていってくれるとうれしい」と伝えたところ、すぐ近くのブリニ屋さんを薦めてくれました。この日は雪がパラつく、やっかいなお天気。地元のSさんが地下通路を駆使してすいすいと案内してくださるのでとても助かりました。
 店内はそこそこ混み合っていて、上のフロアへ。ライト暗めでムードがあります。飲み物はビールが合うとのことだったので、相方とSさんはビール。フィンランドの缶ビールはライトなものが多いので、ダークビアを頼んだら、チェコ産でした。スオメンリンナクラフトビール、また飲みにいきたいなぁ(ただし、夏に限る)。

 わたしはシードルの辛口。

 じゃーん! すごいの来た! ブリニ(ブリヌイ)ってキャビア乗せて食べる一口サイズのパンケーキのことだと思っていたのですが、巨大なのが出てきてびっくりしました。最初に付け合わせが乗ったお皿がそれぞれの前に置かれ、ブリニはお代りができます(追加料金不明)。左からサワークリーム、スモークサーモンとハーブ入りのサワークリーム、魚卵、刻んだ生タマネギ(ちょっと辛い)、まさかのハチミツ。キュウリのピクルスとハチミツをいっしょに食べるとおいしい、と言われたのですが、うーむ。すごく甘いピクルスって感じでした。
 ブリニは焼きたてをサーブしてくれるので、表面はカリッとサクサク、内側も軽い食感。甘くはなくて、軽く塩けがあり、そのままでも十分おいしいです。調べてみたら、ブリニは蕎麦粉入りのパンケーキのことで、サイズはさまざま。プロヴァンスなどで食べられるガレット(クレープ)が蕎麦粉と水を薄く焼いたものなのに対して、ブリニには卵やバターも入るらしい。イースト発酵させるレシピもあるようですが、これもサワードゥか何かで発酵させた生地なのかも。蕎麦の味はそんなにしなかったので、小麦粉主体だと思いますが、もしかしたらジャガイモも入っていたかも。表面は朝マックについてくるハッシュポテトを軽くふわっとさせたような味がしました。

 おすすめのセットは3種類のディップ(ソース?)付き。左からスモークトナカイ入りのクリームチーズ(たぶん。サワークリーム&生クリームかもしれないですし、ほかの種類の乳製品かもしれません)、ウィンターマッシュルーム入りのクリームチーズ、刻んだキュウリのピクルス。

 すごくおいしくて好みだったのですが、トッピングがほとんどクリームこってり系な上、ブリニ自体も揚げ焼きに近いようなオイリーさだったので、そうそうたくさんは食べられず。悔しい〜。オーダー方法がよくわかりませんが、たぶん、セットのディップは3人で1つずつぐらいの量でよかった……。次に行くことがあったらシンプルなものを頼んでみます。ちなみにサワークリームスメタナ。何語かわからないけど、覚えた!
 ムーディーな店内で容赦なくヘムレン遊びをするわたしたち(笑)。

 さて。本日の目的はヘルシンキ市立美術館HAM。ちょうど草間彌生展開催中で、撮影OKな作品がたくさんあるため、SNSでも盛り上がっているとのこと。草間作品とヘムレンさんは相性いいんじゃない(笑)?ってことで、誘っていただいたのです。
 で、草間も好きなので、予備知識なしに行ったところ、なんと! 入ってすぐのところにトーベ・ヤンソンギャラリーが!!! 「田舎のパーティと都会のパーティ」の巨大なフレスコ画が目の前にいきなりどーん!

 レプリカかと思ったら本物で、しかも撮影OK。こんなに近くで見ることができます。もともとヘルシンキ市庁舎のレストランのために作られた壁画で、長くスウェーデン語系職業訓練校のロビーにあるとは聞いていたのですが、旅行者が入れる場所なのかどうか、なかなか敷居が高い。トーベ100のときにアテネウムで開催されたトーベ・ヤンソン展で初めて実物を見ましたが、なにしろ巨大なので、日本には来ませんでしたし、こんなに間近ではなかった記憶が。

 制作中のトーベの写真。ほかにも家族やクルーヴハルでの写真なども展示されていました。

 今はまた展示内容が変わっているようですが(↑これは常設)、このときはアウロラ小児病院の階段の絵の下絵とレプリカ(だと思います)が飾られていました。

 これは日本でも見たような。最近はグッズにも使われている絵ですが、優しいタッチで、すごくかわいいですよね。
 説明にはちゃんと日本語も!

 ゆっくりブリニ、ゆっくりトーベで時間がかかってしまいましたが、本命はこちら。

 フィンランド草間彌生作品を見るという不思議体験。展示のほとんどが撮影OKというのも驚き。

 トリックアート的に楽しめるブースもいくつか。

 ゆっくりと色が変わっていきます。トリップしそう!

 トーベと草間。作品の方向性としては対極のようで、それを続けて見るっておもしろいなぁと思ったのですが、技術力の高さに裏打ちされた緻密な表現、絵画に立体に文章にとマルチな才能を発揮、そして表現なしでは生きていけなかった女性、といった共通点も。

 HAMはカンピのすぐ近く。ツアーでよく利用するソコスホテルプレジデンッティのあたりです。入場料は10ユーロ(一部無料もあり。企画展がない時期は5ユーロらしいですが、企画展開催中に常設展だけ見られるかは不明。年齢、展示によっても異なるのでご確認を)で、ヘルシンキカード等でも入れると思います。ちなみに月曜休みです。
HAM ヘルシンキ市立美術館 - HAM
Tove Jansson - HAM
 見終わったのは17時すぎ。Sさんのお仕事が心配ですが、名残惜しいので、お言葉に甘えてお茶することに。HAMの建物には映画館とカフェも入っています。あちこちで見かけて気になっていたESPRESSO HOUSE。スウェーデン系のコーヒーチェーンだそうです。グロッギがあったので、ピエニ(小)を頼んだのですが、これのどこか小なんだ!?

 一息ついたらおいとまするつもりが、いつまでたっても減りません(笑)。グロッギはアルコール抜きで、酸味が強くておいしかったです。

 片言英語ですが、いろいろお話ができて、すごく楽しかった! 相方が「フィンランド人は日本人のムーミン好きについてどう思ってるの?」と訊ねたところ、Sさんの見解では「ムーミン好きのフィンランド人は日本人のことを羨ましいと思っている」とのこと。フィンランド人に比べると日本人は感情表現がオープンで、ムーミンワールドなどでムーミンに会えば、大喜びで「わ〜!」と抱きついていける(まぁ、日本人もシャイなほうではあると思うので、旅行でテンション上がってるってのも加味されていそうですが)。フィンランド人は怒っていても喜んでいても表情が変わらない、と実演して見せてくれたのが興味深かったです。
 さて、そんないつもクールな表情のSさんといよいよお別れ(と言いつつ、最終日にもちらっとお会いしたのですが)。あっと言う間に19時。胸いっぱいお腹いっぱいで、今日ももうレストランは無理だね〜ということに。
 なくなった?と思っていたアーノルドドーナツをカンピの地下で発見! 日本店はオープン直後に吉祥寺店で食べたときはおいしくて感動したのですが、すっかり味が変わってしまって残念に思っていたので、本場のを久しぶりに食べたかったのです。

 しかし、お腹いっぱいなので、小さめのをチョイス。ラクリス味を確かめるという使命は以前果たしたので、今回は普通においしそうなやつ(笑)。
 店のお姉さんはアジア系の方でしたが、親切に「ケースにないのが食べたかったら奥にあるのを出すから」と言ってくれました。フィンランドって、ショップの人も親切だと思うんだけどなぁ(すごく混んでる、そこそこなレストランで無視されたことは何度かあります)。Sさんいわく、「フィンランド人はショップでもぶっきらぼうだ」とのこと。日本だと店員さんは必ず「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」って言ってくれるけど、客は買っても買わなくても無言、ってこと、多いですよね。フィンランドの店員さんはカジュアルですが、「ヘイ」とか「モイ」とか言ってくれるし、こちらも入るときと出るときに同じ言葉を返すので、日本よりもコミュニケーション取ってる感があります。旅気分のまま日本のコンビニでも挨拶しそうになりますが、客が入店時に「こんにちは」とか言ったら、確実に変な目で見られますよねぇ。

 今晩の夜食。写真がなく、記憶もないので、トマトスープとドーナツしか食べなかったんだと思います。

 が、小さめのはケーキドーナツだったーーー。パンっぽいふんわりしたのが食べたかったのにー。でもこれはこれでおいしかったです。

 ホテルのサウナ、昨日(9日)入ったと書いてしまったのですが、10日の間違いだったので、修正しておきます。
 20時。早く戻れたので、ゆっくりサウナへ。ガイドブックには「男女入れ換え」と書いてありましたが、男女別2カ所のサウナがありました。カードキーがないとサウナとジムのフロアにもサウナ室にも入れません。本来、撮影してはいけないエリアだ思いますが、貸し切り状態だったので、スマホで撮らせてもらっちゃいました。
 手前の脱衣所には鍵のかかるロッカー、休憩スペースなどがあります。

 ふふふ、ロンケロ持ってきて大正解!

 シャワーがあって、その奥がサウナ。広くてきれい。サウナよりもいいレストランで食事したほうがいいんじゃないの?という気がしないでもないのですが、これはこれですごく幸せ!

 明日はいよいよヘルシンキに丸々滞在できる最後の日。暖かければタリンかスオメンリンナかポルヴォーなどに足を延ばしてもいいし、サウラサーリでマッカラを焼いてもいいのですが、すごく寒そう。ヘルシンキ近郊であと行ったことがないのは遊園地や動物園。新しくできた海のそばのサウナ、カハヴィラ・スオミ改めかもめ食堂も気になります。ちゃんとプランニングしておくのもいいですが、何をしようかな〜と悩むのも楽しいですよね(←言い訳)。