サーミ博物館SIIDAの日
10月11日(木)。朝7時起床。
ホテルの朝御飯(レストランの様子はこちら)。手前がわたしの分。スモークサーモン、ニシンの酢漬け、サラミっぽいハム、トマト、きゅうり、きゅうりのピクルス、スクランブルドエッグ、ベーコン。パンの代わりにライ麦生地に牛乳粥を乗せて焼いたカレリア地方のパイ、カレリアンピーラッカまたはカルヤランピーラッカ(どっちの表記が正しいか不明)。わたしはアップルジュース、相方はオレンジジュース、ミルク入りコーヒー、ヨーグルトにベリーソースいっぱい+甘みづけにシリアル少々。
部屋に戻ってさらにコーヒーを飲み、10時頃、外へ。気温は3〜4度。
昨夜は星もまったく見えなかったのでオーロラは諦めたのですが、けっこう雨が降ったようです。去年2月に来たときには完全に雪に覆われていた道を辿って、オーロラ観測スポットを確認。
いかにもおいしそうな実がなっていました。リンゴンベリー? ひとつ口に入れたら……しっぶーい! あわてて吐き出しました。教訓、鳥が食べ残した実は人間も(そのままでは)食べることはできない。
イナリ湖沿いをイヴァロ空港とは反対方向へ。やることないのはわかってるので、唯一の観光スポットであるサーミ(サーメ)の博物館SIIDAを目指します。
船の停泊所。
いろんな船があっておもしろかった! 覗いてみたけど、ホムサトフトは寝てなかったよ。
標識。夏と冬では湖と陸地の境界線も変わるんでしょうね。
SIIDAの手前、道を渡ったところにシルバーアクセサリーの工房兼ショップがあります。冬は閉まってたんですが、オープンしてるようだったので立ち寄ってみました。店の奥で職人さんが作業中、陽気な店員さんがいろいろ説明してくれて、マジックドラム(革張りの魔法の太鼓?)に描かれていた伝統的な絵をモチーフにしたというトナカイのブローチを買いました(店内の写真なし、購入品の写真はまだ撮ってない)。似たようなアクセサリーはあちこちの土産物屋さんで見かけましたが、わたしは少しだけ素朴さの残るこの店のものが好みだったので買っておいてよかった!
SIIDA。1階にツーリストインフォメーションを併設。有料ですが、パソコンも使えます。博物館入場料は大人1人9ユーロ。
天井から古い船などが吊るされた長いスロープを上っていくと、2階にレストランが(レストランだけの利用なら建物の外からも入れるようです)。
ランチはひとり12ユーロ。サラダ、パン、メイン料理、飲み物、デザート込み。ビュッフェ形式です。
生の白菜(あるんですね!)とキャベツを粗く刻んだもの、茹でたお米のドレッシング和えのようなもの、黄色いマンゴーか何かを刻んだもの(チャツネ?)など。赤いのはビーツのピクルスのマヨネーズあえ←おいしいです。
メインはトナカイ肉とじゃがいものキャセロール。前回、トナカイのミートソースが案外おいしかったんですが、同じような味だった〜。ジビエや赤みの肉が苦手な相方でも食べられる、マイルドな味。
飲み物はクランベリージュース、やや薄めだけどおいしい。
デザートはベリーのキーッセリ(ジュースやフルーツソースに澱粉でトロミをつけたもの)。
単品でパンやピザも売ってます。……あれ、これはランチに込みではなかったのかも(汗)!? 食べちゃったよ! ムンッキ(ドーナツ)おいしかったです。
レストラン手前のソファー。
室内展示は上野博物館をこじんまりさせた感じ。サーミの歴史、暮らしを知ることができます。前回の企画展は現代アートっぽい写真でしたが、今回は世界で出版されたサーミ語の本みたいな展示でした(←英語の読解力が低いのであいまい)。
室内展示は前回も見たので、ときどき小雨パラつくなか、外に出てみました。
野外博物館の夏だけのオープンで、すでに閉まっている部分もありましたが、古いサーメの住居を再現した展示がたくさん。
放牧の際の住居、定住用の小屋、貯蔵庫、動物用の罠、納屋など、いろんな形の建物があっておもしろかった!
敷地はかなり広く、自然豊か。人けもほとんどなかったので、のんびり散歩を楽しみました。そんなに寒くはなかったけど、雨がうっとおしかったなー。
苔の一種?
きのこ? おもしろい植物もいろいろ。
砂金堀りの様子を再現。
川を渡ると、いきなり飛鳥の石舞台のような巨石が!
17時前。野外博物館を堪能して、ミュージアムショップでステッカーなどを買い、インフォメーションで明日のバスの時間を教えてもらって外へ。
前回、雪に埋もれていた犬。ちょっとした子ども用の遊具もあります。夏はSIIDA手前からイナリ湖遊覧フェリーが出ていて、入場&乗船がセットになったお得なチケットもあるようです。たまたまフェリーが停まっていて人が集まっていたので行ってみたけど、団体さんの貸し切りでした。
湖のほとりの白樺の紅葉はすっかり散っていました。残っていればきれいだったんだろうな〜。
冬には完全に凍っていた川。
行きは湖沿いを来たので気づかなかったんですが、道路沿いに新たな名所?が誕生してました。ここでもランチが食べられたらしい。ちょっと残念。
図書館、ショップ、レストランなどが入った、カルチャーセンター的な建物のようです。
建物がいちいちカッコイイ。
ガソリンスタンドとレストラン、スーパーSIWAもあります。
晩御飯には少し時間が早かったので、スーパーへ。ホテルの前のK(クーッケリ)よりは高いものも扱ってるのかな。マリメッコのペパナプ、フィンレイソンのムーミン布団カバーなどもありました。なんと夏マグと去年の冬マグ発見! まだ旅も始まったばかりだったので買いませんでしたが、けっこうお得だったのかも。
ガイドブックに「料理がおいしい」と書いてあったホテル・クルタホヴィへ。今回はこっちに泊まろうかかなり迷ったのですが、バス停から遠そうだったので、前回と同じホテルに決めました。行きはタクシーだから問題ないのですが、やはり長距離バスはホテルイナリか、その目の前のスーパーK(クーッケリ)にしか停まらないようです。でも、ホテルの雰囲気はかなり良さそうだったので、次(また来る気か!?)はこっちに泊まりたい〜。
川沿いのホテルで、レストランからも川が見えます。
奥には暖炉のある素敵なバーがありました。
食前酒、トナカイの涙。ほんのり甘くて飲みやすいですが、ウォッカベースでかなりキツイ。アルコールを凍らせてあるのか軽くシャリっとフローズンで、リンゴンベリー(レッドカラント? もしくは両方?)が浮いてます。相方は赤ワイン。
レストランに入るとパンとバターが出てきます。お水も出してくれる(店によっては別料金)。サービスいいなぁと思ってたんですが、ほんとはチップを置くべきだったのかも(汗)!? パンの種類はさまざまでしたが、どれもおいしかったです。
ボリュームを警戒して、わたしは前菜とデザート。塩漬けトナカイ肉とビーツのサラダ、だったかな。これが! めちゃくちゃおいしかった。肉はルイベ状態で臭みはまったくない。パリッとした生の薄切りビーツ、ベリーのソースと下に敷いてあるヨーグルトソースもよく合う。量もほどよくてメイン追加してもいいかなと思ったんですが……。
相方が頼んだ、地元産のトラウトのソテー。謎の揚げ野菜とマッシュポテト添え。新鮮な魚、うまーい!
が、2品でボリュームは十分でした。デザートの名前は「スモークサウナ」。上のシャーベットはトゥルニかな? 下のアイスクリームになんとスモークの香りがついてます。不思議美味ー。
晩御飯は60.3ユーロ。早めに食事を終えて、歩いてホテルへ。普通に歩けば、ホテルイナリからクルタホヴィまで10分、そこからSIIDAまで10分といったところでしょうか。
この日はオーロラ本命日。といっても、天気は曇りときどき雨。風が強くて雲の流れが速く、ときどき星も見えていたので、窓から様子を伺いながら、わたしは仮眠、相方は飲酒。22時頃だったかな、星が見えてきた!というので、着込んで外へ。1〜2時間、外で粘りましたが、また曇ってきたので、諦めてホテルに戻ることに。
ホテルを挟んで反対側からの眺めはどんな感じだろう?とまわり込んでみると、空にかすかに白いオーロラが! パッと見は雲とあまり変わらないのですが、チラチラと動きが速く、発光しています。しばらく眺めていましたが、大きくなる気配はなく、吹き飛ばされそうな強風、カメラにも写らないぐらいの弱さだったので、部屋に入りました。
一息ついて、温めておいたサウナに入る前に部屋の電気を消して窓を見てみると、白くもやもやと動く大きなオーロラが出ていました! 外に出るにはまた着替えないといけない、でもそんなことをしているうちに消えてしまうかも!?ということで、写真は諦めて窓越しに眺めました。見られただけで満足だけど、やはり窓越しでは2月に凍った湖の上で見た頭上から降り注ぐようなオーロラの感動には遠く及ばず……。だんだんと弱くなってきたので、わたしはサウナに入り、相方はホテルの喫煙用ベランダ(外に出られる。今回泊まった部屋はベランダはなく窓は開かない)まで見に行ったそうですが、もうほとんど見えなかったとか。この日は1時45分、就寝。
2011年2月のイナリの写真はこちら。