3度目(入場は2度目)のムーミン展

Too2009-05-14

 はっと気づいたら、大丸東京のムーミン展も残すところわずか。ちょっと夏風邪っぽいのですが、平日に時間が取れるうちに!と、再訪してきました。
 物販はかなり限定品が減っていて、アクリルオーナメントも黄色のみ。モノクロタイルは「スナフキンと夏の子ども」と「冬眠中のママに話しかけるムーミン」だけ。眼鏡ふきもナシ。ポスターは復活していたようで4種類揃っていました。エーケルンドタオル、限定トート(大阪のメインビジュアルだったパパ柄)もあり。新しい切手、FDCも入荷。ポストカードも最初はタンペレのと日本のとラックが2つあったのに、ひとつのラックに数種類に減っていました。前回(5/2)にちゃんと確認すればよかったな〜。スウェーデンのスケジュール帳(オレンジ色の表紙のやつ)は価格(2520円)にちょっと悩んだんですが、せっかくなので買ってみました。モノクロハンカチは全種類購入済みだったのですが買い足し&山加のマグカップもゴールドをひとつ。

 さて。情報交換という意味では限定グッズの話に比重がいってしまいますが、なんといっても本命は原画展!です。三時台の入場でしたが、絵の前にはだいたい常に人がいる、ぐらいの混み具合。人が多いってほどではないですが、好きなだけ伸び伸びと見られる、という状況ではありませんでした。
 入り口で出迎えてくれたムーミン立像はタンペレ常設のものとは別であることが判明。バイヤー日記のコメントで「はっ」と気づいて、タンペレにもいっしょに行った相方に「タンペレのとは違うんだってよ〜」と言ったら、「うん、全然違う。こんなに造りが粗くなかった」と(汗)。

 これは過去の原画展で買ったポストカードですが、今回、ムーミン以外の絵画はこの画像中央のカラー静物画ぐらい。雑誌『ガルム』の表紙や挿絵が何点か。全部に豆粒のようなムーミンがいるので、探すのも楽しいです♪ 
不思議の国のアリス』の挿絵も2点。これは初めて見ました!
 展示は基本的に、本ごとに数点〜数十点。最初にあらすじのボードがあって、挿絵原画やカラーの表紙絵などが並んでいます。今回の展示の特徴は、実際に使われた絵とデッサン/スケッチ/試し描きなどが並べられていること。明らかに「こっちのほうがいいね〜」というものもあれば、「どっちが採用されたほうかわらない!」というレベルのものもあります。絵の完成度だけでなく、印刷した際にどちらがキレイに出るかということも考えて選んだとどこかに書いてありました。
 マグカップなどのグッズに使われているアニメのキャラクター設定画のようなスケッチ、印刷所への指示メモでさえ、味があります。が、デッサンはデッサン。公表するつもりはなかったものだと思うんですよね。作者の気持ちを考えると、落書き程度にスケッチしたものやボツにしたものが額入りで展示されるのみならず、グッズになっているというのは少し複雑な気持ちです。

 原画については、もう毎回言っていますが、まず出てくる言葉は「細かい」。1点1点のサイズも、文庫本挿絵の使用サイズより小さいんではないかと思うぐらい小さい。モノクロのみっちりした緻密な線は、端正なのに勢いがあり、生き生きしていて、引き込まれます。
 美術展の楽しみ方は人それぞれだと思いますが、わたしは制作年や画法、背景などの説明があればひととおり読むほうです。説明があるとそれに引きずられて、先入観や余計な予備知識が入ってしまうという弊害もありますが、嫌な人は読まなければいいだけの話だと思うので、できれば、たとえば「実際に使われたのはこっちの絵」とか「○○という画法も試したようだが、△△を採用した」とか「この挿絵は○年の改訂で新たに追加した」とか、そういう説明があるといいなぁ、と。でも、途中から、ま、「本ではこっちだった」とか気にするのは止めようと思って、ざくざくと見ていきました。
 それぞれの本から数十点程度ですから、すべての原画が一挙に展示されたわけではありません。タンペレムーミン谷博物館は空っぽでは!?と心配していましたが、余計なことでした(笑)。たとえば、「冬」の雪玉、前回の展覧会で印象的だった「彗星」のローブを着たパパとじゃこうねずみの絵(モノクロ)、夢見る〜/ドラゴンフライなどは今回は来ていませんでした。
 今回のなかでおもしろかったのは、やはりハンカチにもなっている、謎の「新聞挿絵」。

 小説のストーリーには関連性のない絵で、制作年や意図は不明とのこと。会場の説明には「ご先祖さまが生き返る!?」というようなことが書いてありました。確かに壁の絵が逆さまになっている(冬、ムーミン一家が冬眠している間にご先祖さまは気にいらない絵を逆さまにしてしまう)ので、「冬」「ご先祖絡み」のエピソードで、ムーミンだけでなくパパとママも目覚めているので、小説なら「もみの木」、またはコミックス絡みの絵だったのかなぁと思います。絵の雰囲気からいうと小説っぽいんですが、ピアノが階段から落ちてバラバラになっている感じはコミックスのタイムマシーンなどのエピソードを連想させます。

 もう1点は、以前の展示のときもポストカードを買いまくったクニットのなかの1枚。といっても、手元の絵本にはこの絵は使われていません。よく似た構図のカラーの絵はあるのですが、なんとっ、絵本のなかで、トゥーティッキと寄り添っているのはミムラ姉さん(似?)。モノクロにはトーベ(似?)の人物が描かれています!

 これはフィンレイソンの布。絵本とはまた少し違うんですが、この場面です。上のハンカチと見比べてみてください!
 ムーミン展の最後は、クニットとコミックス、そして谷口千代さんの粘土作品で締めくくられています。トーベさんから谷口さんに届いた手紙のコピーも展示されているのですが、便箋がリース絵なんですよ〜(郵便書簡/ミニレターとは別のリースでした)。
 ムーミン展限定グッズで残念だったのは、日本オリジナルのポストカードがなかったことです。ミュージアムグッズとしてはハズせないものだと信じていたのですが、タンペレからの輸入品と、今回の展示とは直接関係のないコミックス表紙柄のものだけでした。このハンカチなどに使われている絵や、ポスター/チラシに使われている絵など、今回の展示のなかの象徴的な絵のポストカードを作ってほしかったです。
 と、またグッズの話に戻ってしまいましたが(笑)、もしも時間がなくて展示か物販かどっちかしか見られないというような方は何としてでも原画をご覧になるべき! グッズは通販やオークションでも買えるかもしれません。でも、原画を肉眼で見るチャンスはそうそうない。書いてるそばから、また見に行きたくなってきました〜。ただ、個人的にはグッズ<原画<挿絵入り小説本、という優先順位。原画展の余韻に浸りつつ、小説を読み返すのがまた楽しみです!
↓長文、お疲れさまでした〜。本日のアフィリエイトのぱんつ画像でリラックスしてください(笑)♪